再就職手当て

このページでは、独立に向けて会社を辞めたときにもらえる2種類のお金の中でも、特にオススメしたい「再就職手当て」について、申請の仕方から、おおよその金額、もらえるタイミングまでを詳しく説明します。
あまり聞きなれない名称ですが、失業手当、失業保険という名前の方が一般的に知られている「雇用保険給付」から派生した給付金です。
きちんとタイミングを見計らって申請すれば、会社を辞めて他の会社に就職したとき、はたまた独立したとき、どちらの場合でも、もらえます。フリーを目指す人にとっては、「独立手当て」と呼んでもいいくらいの制度です。

最大の特徴は、90日間から最大で360日間の受給期間中、基本的に働いてはいけない「雇用保険給付」と異なり、「再就職手当て」は一括でもらえる上に、申請したその日から働いてOKというところです。
「会社員⇒フリーランスで独立 」という方には是非オススメしたい制度です。私自身この制度を使い、独立したばかりの収入の少ないころの生活をまかなっていました。


■実際にいくらお金をもらえるのか?

さて、ここからは、「再就職手当て」をもらう場合の具体的な情報です。
まずはどれくらいのお金がもらえるのかを試算してみましょう。

事例1)食品メーカー営業Aさんの場合

4月10日に、2年勤めた会社を、独立したいという自分の都合で辞めた28歳のAさん。
月々の給料は額面が26万円(手当てはなし)。手取りは22万5千円程度。
さて、いつ、いくら、お金をもらえるのでしょうか。

答え・・・6月下旬~7月中旬、約30万円を一括でもらえます。


事例2)飲食店ホール担当Bさんの場合

同じく4月10日に、お店をたたむというオーナーの事情で、6年勤めたお店を辞めた33歳のBさん。
月々の給料は額面が28万円(手当てはなし)。手取りは24万円程度。
さて、いつ、いくら、お金をもらえるのでしょうか。

答え・・・5月下旬~6月中旬、約60万円を一括でもらえます。



事例3)飲食店ホール担当Bさんが8月のお盆過ぎまでのんびりして、そのあとに独立した場合

勤続年数、給与等の条件は上の事例2)と同一とします。
さて、いつ、いくら、お金をもらえるのでしょうか。

答え・・・5月10日前後から、約17万円を4週間ごとに8月10日まで4回もらい(雇用保険給付金/68万円)、その後独立して申請。9月下旬~10月中旬、約17万円を再就職手当てとして一括でもらえます。合計で85万円です。

もらえるお金の額は、
〈1〉皆さんがどれだけ会社に在籍していて
〈2〉毎月いくら給料をもらっていて
〈3〉どんな事情で会社を辞めて
〈4〉ところで、いま何歳なのか
〈5〉それと、雇用保険の給付期間はあとどれくらい残っていたか
という5つの要素が考慮されて決まります。

4週間ごとにもらう雇用保険給付金の総額と比べると、50~60%の再就職手当てですが、一括でもらえるということ、申請後は事業収入があることを考えると、トータルでは得をする場合が多いと思います。
皆さんのケースに合わせて、最適な独立プランを立ててみてください。

さて、ここまでの説明で「会社を辞めさえすればお金がもらえる」という印象を持たれた方もいるかもしれませんが、「再就職手当て」は次の場合はもらえませんのでご注意ください。

1.入ってから半年未満で会社を辞めた。
2.会社を辞めて、1ヶ月以内に独立開業した。
3.会社を辞めたあと、アルバイトをしたり、他の仕事をしていた。


■もらうためにはどんな書類、また手続きが必要か?
 
会社を辞めたあと、再就職手当てをもらうつもりでハローワークに出かける場合、以下の書類が必要となります。
何度も言いますが「給付金なんていらない、すぐ独立開業する!」という方は、ハローワークには行かなくてもOKです。

・雇用保険被保険者離職票(基本は会社から届きます。1と2があります。両方必要です。)
・写真つきの本人確認書類(運転免許証、住民基本台帳カード等)
・写真(タテ3cm×ヨコ2.5cmの正面上半身、3か月以内に撮影)2枚
・印鑑
・本人名義の普通預金通帳(お金を振り込んでもらいたい口座のものを持っていきましょう)

これらを持ってハローワークに行くと、担当の方の人柄にもよりますが、お金のもらい方を丁寧に説明してくれます。ただ、基本的には「とっとと次の仕事を見つけて働いてくれ(給付金はもらわないで欲しい)」というスタンスで来るので、適当に相槌を打つ必要があります。
すぐに独立できるような準備ができていて、かつバイタリティ溢れる人には、再就職手当ては支払われませんので、ご注意を。具体的には、自己都合の場合は1ヶ月半~2ヶ月は次の仕事を探すつもりで、そのあとに「頑張って仕事も探したけど、なかなかうまくいかない・・・。こうなれば思い切って独立しよう!」というのが、再就職手当ての受給⇒独立のたてまえ的な流れです。
会社都合で職を失った場合は、約2週間はじっとして、その後に独立すると、再就職手当てがもらえます。

以上が概要ですが、もっと詳しく知りたい方は、下記のハローワークのサイトにある

再就職手当のご案内

をご覧ください。
また、実際にハローワークで相談するか、以下のハローワークのオフィシャルサイトをご覧いただけると、会社を辞めたときにもらえるお金の全体像と詳細が正確にご理解いただけます。

雇用保険に関するハローワークの公式説明ページ

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